(奇想天外・臨時増刊号 昭和56(1981)年5月15日)
*資料性のある記事としては以下のようなものが収録されている。
・吾妻ひでおインタビュー
・吾妻ひでお年譜
・新不条理解析(「不条理日記」シリーズの元ネタを推理している)
・明解吾妻ひでお辞典
・吾妻ひでおにおける北海道語の研究
・その他
また、マンガは5編が収録されている。
・「普通の日記」
・「ぬいぐるみ」
・「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」
・「由紀子の肖像」
・「つばさ」
普通の日記
*作者の当時の日常をコミカルに描いたもの。これによれば「ぶらっとバニー」は編集者が「アイデアからストーリーから全部出してくれる」のだという。
ぬいぐるみ
「僕」は日曜日の朝、自宅の窓から奇妙な少女を見かける。その数日後、体調不良で早退し帰宅すると、路上でその少女が「僕」を待っていた。「ねえ、おにいちゃん、遊ぼうよ」と言われ、次の日曜日いっしょに遊ぶ約束をするのだが……。
*川又千秋原作。フキダシを一切使っておらず、独特の雰囲気でまとめてある。
愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン
大型宇宙船の船内で、「連続胃袋かっ切られ殺人事件」が発生。アズマ旅行保険支払係は容疑者の取調べを行なうが……。
*萩尾望都との合作。作者ふたりは似顔絵で作中人物となり登場している。題名は手塚治虫のアニメ映画「火の鳥2772/愛のコスモゾーン」をもじっているものと思われる。
由紀子の肖像
(未発表 1971年の作品)
中年男が夜、家路についている。駆け足で去って行く2人の男とすれ違うが気にも留めず、家へ帰って玄関を開けると、愛娘が何者かに殺害されていた。警察は「流しの強盗でしょう ちょっと犯人たいほは むずかしいかも」と言い、迷宮入りとなった。しかし父親である男は復讐のために、あの夜道ですれ違った男達を探す……。
*最初のページの欄外に「オカルト・ミステリ」とあるとおり、娘が幽霊になって出てくる。吾妻流「あの世」の解釈が興味深い。
つばさ
(カテゴリ"11 ひでお童話集"にて既述のため割愛。最後のページに「ヒント=フェリシアン・ロプス「略奪」」と記されている。フェリシアン・ロプス(Félicien Rops)は19世紀ベルギーの画家。